フリードリヒス浴場(バーデン・バーデン)


2003年6月2日(月)・中編
 

1・フリードリヒス浴場、混浴システム

さて、これからヨーロッパの温泉初体験をしにフリードリヒス浴場に行くのだが、まず、フリードリヒス浴場の混浴システムについて触れておきたい。ここでは全裸で入浴するため、女性であれば多少は気の引けるのがごく自然なのではないかと思う。個人の旅行記を読んでいると 、「6回も来ているという日本人中年男性が女性用の方に入ってきて話しかけてくる」などの嫌な思いをした人の経験もあった。私も出来れば”混浴は避けたい派”である。

実際、フリードリヒス浴場には混浴の日とそうでない日があるのだが、最初、詳細に関してはどうもよく分からなかった。「地球の歩き方」 には 「館内中央部の大天蓋がある大浴場や噴出浴プールのみ曜日によって男女どちらかのみ、または混浴の日が決められている」とか、「大天蓋のある浴場は混浴の日もある」と書かれており、その混浴の日とは火、金の16:00〜22:00と 水、土の9:00〜22:00となっていた(2001〜2002版・168、169ページ)。が、実際に行った人のHPでは 「混浴の日ではなかったのに混浴だった」とか様々な記述があり、本当のところはどうなのか?疑問だった。それでフリードリヒス浴場に直接メールで問い合わせたところ、下記のような返事が返ってきた。

There is no day only for women, when it is mixed bathing men and women can go in every part of the spa, when it is separate bathing men have one part and women the other one.

また、フリードリヒス浴場のパンフレットにはこう記されている。

On the days designated for mixed bathing, men and women can experience the steambath and the various other baths together 11-7.

つまり、女性のみの日は無い。混浴の日には館内全て(注)が男女共用になり、男女別の日には男性は一方の側、女性はもう一方の側を利用するというのである。一方の側というのは、フリードリヒス浴場の建物は中央に位置する大天蓋の部屋(案内図11)を挟んで左右対称になっているのだが、その大天蓋のプールに行き着くまでは男女別、でも、大天蓋のプールは常時混浴というわけなのだ。(注)パンフレットによれば全てではなく、7〜11(右下にある案内図を参照) である。ただし、7、8と9の間には曇りガラスのドアがあって、扉の9の側には”ここからは女性専用”とサインが出ていたので、7から11ではなく、9〜11の間違いなのではないか?とも思う。

全く失礼な話ですが、曇りガラスのドアを開けて7から入って来る女性の裸を見る目的で、「ひたすら9のプールに浸かって待つ」日本人男性がいるようです。目と目が合って思わずドアを閉めてしまうなどの女性の反応を楽しんでいるようですので、一応気をつけてください。
http://bbs.arukikata.co.jp/bbs_past/tree.php/id/93894/-/parent_contribution_id/93889/

私が行った時(混浴でない日)には911の間(扉はない)には、「こちらは女性用」みたいなサインが立てかけてあり、9に男性が入ってこれるような雰囲気ではありませんでした。女性の方には混浴で無い時間帯に行かれることをお薦めします。

2・フリードリヒス浴場

私達が体験したのはブラシマッサージなしの21.00ユーロのコース。ロビー左手にあるカウンターで料金を払うと磁気カードを渡される。階段を上り2階に行くと左手に女性用更衣室、右手には男性用更衣室がある。夫とは 丸天井があるプールで落ち合うことにし、(今日は混浴ではない。というか混浴でない日を選んだ)ここから暫しの別れとなる。
(時間や料金についてはこちらを参照)

更衣室への扉を開けると改札口のようなゲートがあるので、そこに磁気カードを差し込んで中に入る(上の写真右・この写真は退出時に撮った)。更衣室は明るく近代的だった。 ここで服を脱ぐことは分かってはいるものの、私の他にはコースを終えて髪を乾かしている(ドライヤー有)女性が1人いるだけで、こんなガランとしたところで裸になって1人で歩くのか?とウロウロしていたら、係りの女性が来てロッカーの使い方こちらを参照などを説明してくれた。そして「あっちで待っているから準備ができたらいらっしゃい」と感じの良い言い方で言って去っていった。

この案内図は男性側のものだが、女性側も左右が逆なだけで殆ど同じ構成になっている。青い矢印が入り口でAは更衣室。入浴は 壁に掛かっている1〜16の番号メニューに従って行う。時間は目安なので別にきっちり守らなくてもいい。

14で待機していた先程の女性にシーツのような白いタオルを渡された。サウナではこれを体の下に敷き、汗が椅子に流れないようにするのだ。

1、シャワー(5分)
年代物といった感じの古いシャワーがある。横長のレバーを回すと水が出てくるが、かなりと回さないとお湯が出てこない。ちょっと回しただけでは「冷たいっ!」という ことになる。5分もシャワーを浴びれるか!と思うが、ボディーシャンプーが備え付けてあるので、つまりは体を洗え!ということなんだろう。ここにゴムサンダルがあるので、これを履いて次へ行く( 履かないと2と3の部屋の床は熱い)。

2、54℃の暖かいサウナ(15分)
3、68℃の熱いサウナ(5分)
2と3の部屋は続き部屋になっており、間はカーテンで仕切られている。どちらの部屋もタイル張りで、壁の上方には草木や鳥の絵が描かれている。デザインはオリエンタルな雰囲気。室内には寝椅子があり、タオルを敷いて横になる。私は先客の女性の真似をして、タオルで体を包んで寝転がった。 けっこう熱くて、壁に掛かっている時計と睨めっこしながら過ごした。

4、シャワー(1分)
1と同じ場所(案内図・1/12)に戻って汗を流す。

5、石鹸とブラシマッサージ(8分)
これはオプショナルで付けた人だけ。素通りした際に見た感じでは、ベッドの上に寝かされて全身を石鹸だらけにされていた。ブラシマッサージはけっこう痛いらしい?
6、シャワー(1分)
これも5をした人だけ。私の場合、5と6はパス。

7、45℃の温泉スチームT(10分)
8、48℃の温泉スチームU(5分)
上の案内図では分かりにくいが、7と8は同じ部屋にある。かなり狭い部屋の真ん中に階段状の腰掛があり、この写真では右側が7、左側が8である。
※ この写真はフリードリヒス浴場のウェブサイド・TourまたはPostcardsから転載したもの。

8の側には輪投げの輪を幾つも重ねたような形をした巨大な壷?が2つあり、そこからスチームがシューシューと吹き出ている。つまり、段々のワンサイド (8)に座ると真正面からスチームが当たるのでより熱く、もう片方のサイド(7)に座ると後ろからスチームが当たるので熱さが和らぐ・・・と言うわけだ。

ここのスチームはハーブ系のツンとする香りがした。ローズマリーの香りに似ている?気がしたのだが、私はけっこう好きな香りだったので、ここでは時間通りこなした。2と3のドライサウナと比べてこちらはスチームである事も私向きだった。また、写真ではタオルを使用しているが、タオルの持込みは出来ない。

9、36℃の温泉プール(10分)
ここからやっと温泉らしくなる。つまり、浴槽(と言ってもプールだが)に浸かることができるのだ。無色透明のお湯は臭いやぬめりも無くただのお湯っぽいが、体をお湯の中に沈めているとホッとする。

ここは混浴の日には男女共有になるが、そうでない日でも隣の11が見渡せるので、視覚的には混浴とも言える。私は水面から頭だけ出して「夫はまだ来ていないのかなぁ? 」と11の方をずっと見つめていた。でも、あまりじ〜っと見ていると男性の裸を見ていると勘違いされそうなので、適当に目をそらす。

10、34℃の泡温泉プール(15分)
上の案内図(男性側)では10は11の真上にあるが、女性側の10番は9の真上(7,8へ戻るドアの隣奥)にある。ここは9番より小さなプールだが、バブルバスになっている。

 

11、28℃のエクササイズ用温泉プール(5分)
ここがパンフレットその他で必ず紹介されている丸天井のあるプールだ。パンフレットにはmovement bath、館内のコースメニューには exercise bathとあるが、要するに泳いでもいいプールということなんだろう。お湯の温度も低く、ただ浸かっているだけだと冷たい。

左上の写真は案内図でいうと11の手前側から10の方へ向かって撮られている。 女性が座っている後ろに扉のない入り口が見えるが、ここから男性が入ってくる。 プールを挟んで反対側も同じ入り口があり、女性はそちらから入ってくるという仕組みになっている。混浴という事については、お湯につかっている限りは体が隠れているのですごく恥ずかしいということもないが、9と11の間の移動はタオルなしで歩く(ほんの数歩だが)のでちょっと勇気がいるかも?
※ 上の写真2点はフリードリヒス浴場のウェブサイド・TourまたはPostcardsから転載したもの。

15分以上待ってからようやく夫が現れた。夫は日本で温泉に入った時「熱くて入っていられない」とすぐ出てきてしまった人なので、ここでも同じなんじゃないかと思っていたが、「サウナが気持ちよくて長居した」んだそうだ。私はサウナは熱すぎて指定時間を切り上げたのに・・・、人それぞれである。夫と暫くいっしょにお湯につかった後、私は右へ夫は左へと来たルートを逆戻りし12へと移る。帰り際、気に入った7、8のスチームをもう1度やった。

12、シャワー(8分)
1と3で使ったシャワーまで戻ってきて、またシャワーを浴びる。それにしても何で8分もかかるのか?シャンプーでもすればそのくらいかかろうが、コンディショナーがないぞ!

13、18℃の冷水浴(1分)
足だけ入れたが、冷たくて入っていられそうもないのでパスした。

14、保温タオルで体を拭く(4分)
最初に使ったのと同じシーツのようなタオルだが、こちらは暖かく保温されている。ポカポカして気持ちが良い。

15、クリームサービス(6〜8分)
明るい化粧室ふうの部屋に、ポンプ付きのボトル入りボディーローションが4本置いてあった。以前はクリームだったらしい?が(体験者の旅行記ではクリームとか瓶という言葉が出てくる)、ローションに変わったのだろうか?私は4種類とも塗ってみたが肌に浸透しにくいローションで、何10秒も肌にすりこんでいるのに肌表面がローションで白くなったままだ。 特に気に入ったというわけでもないが、この香り(特に写真右側のJubilaumsと書かれているやつ。何かハーブ系の香りがする)を嗅ぐとフリードリヒス浴場での記憶が蘇りそうな気がしたので、記念に小さなボトル入りを購入(200ml入り、各7.20ユーロ)。

16、休憩室(30分)
上の案内図によると休憩室は2箇所あるが、私が案内されたのは16/1天井はドーム式でU字型の部屋だった。数えたところベッドが20台あり、ピンク色の毛布で覆われている。まず、係りの女性が白いシーツを敷いてくれる。その上に裸のまま仰向けになるとシーツと毛布でミノムシのように包まれる。この状態で30分休むのだが、カーテンが引かれた窓からは 木漏れ日が差込み、小鳥の鳴き声が聞こえてくる。そして、1つだけ開け放たれた窓から入ってくるそよ風。ここは優雅と静寂が支配する何て心地のいい場所なんだろう!丸い天井を見つめてぼんやりしていると眠りに誘われるが、実際にスースーと寝息をたてて寝ている人もいた。 私も本当は眠りたかったが、コンタクトレンズをしているのと夫との待ち合わせもあるため、30分だけ過ごしてこの部屋を後にした。

さて、フリードリヒス浴場の全体的な感想だが、もう大満足!また是非行きたいと思う。お湯につかるというだけなら日本の温泉の方が、例えば温度や温泉の質などの点で勝っているよう感じるが、ここではヨーロッパの古き良き時代にタイムスリップしたかのような優雅な時間を過ごすことができる。 非常にエレガントなリラクゼーションの世界なのだ。また加えておくと、バーデン・バーデンのもう1つの温泉カラカラ浴場と比べた場合、私はフリードリヒスに軍配を上げる。


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