カラカラ浴場(バーデン・バーデン)


2003年6月3日(火)

1・リヒテンターラー・アレー

朝食後、洗濯物をホテルのおばさんに預け(自分でするつもりだったが、おばさんがやっておいてくれると言うので お願いした。料金も請求されなかったが無料なのか?)、街中の散策に出かけた。まず、オース川沿いのリヒテンターラー・アレーから歩き始める。

リヒテンターラー通り(Lichtentaler Str.)というのが別にあるので、それに対してアレー(Allee)なんだろうが、英語ではAlley。公園の中の小道・・・そういう意味もあるとは思うが、少なくとも北米ではこの言葉で真っ先に思い浮ぶのは裏道である。住宅街であればゴミの収集車やパーキングに出入りする車くらいしか通らない、ダウンタウンだと浮浪者がうろついているような暗いイメージがする言葉だ。ドイツ語だからそうなのか?ヨーロッパの英語とアメリカ英語の違いか?まぁ、どうでもいいかぁ。

川の片側は公園っぽく噴水や花壇があり、もう1方の側にはお屋敷やホテルが並んでいる。バーデン・バーデン屈指のホテルBrenner's Park-Hotelもこのオース川沿いにあるが、外から見た感じ、このホテルの正面と裏側では部屋からの眺めに天と地ほどの差がある。玄関のある表側は住宅街のただの道路なのだ。

2・アウグスタ広場

アウグスタ広場の一角に巨大なチェスボードがあった。 木陰のベンチに座って見物する。卓上のチェスだとボード全体がひと目で見回せるが、この屋外チェスは大きいため全体の位置をつかみにくい。右へ左へと数歩移動しながら角度を変えて見るので時間もかかる。私達は1時間半も見ていたが、片方の人が帰らないといけなくなったようで、この2人のゲームはついに終わらなかった。

チェスと将棋はルールが同じ?だと思うが、一般市民の日々の生活の中にそれらがどれほど浸透しているか?身近な娯楽か?という点では、欧米におけるチェスの方が日本における将棋よりもはるかに上のような気がする。 私は現在の日本の状況には疎いが、日本の将棋はどちらかと言うと中高年者以上の趣味という感じはしないだろうか?それに対して私の住んでいるカナダでは、オセロやトランプの感覚で子供でもチェスをするし、職場の休憩室にチェスボードが置いてあったりする。また話が脱線した。

この後、新宮殿(Neues Schloss)を目指して適当に歩いたが、道順がよく分からなかった。バーデン・バーデンの町は複雑に入り込んでいる小道や階段が多く、私道かもしれないような細道を抜けて行った突き当たりが家やアパートだったりした。新宮殿と思われる場所には行き着いたが、門は閉まっていてPrivateのサインが掛かっている。う〜ん?何だか分からないが、ここからは町全体が見渡せて景色だけはいい。

16:00頃から雷が鳴り出し、そのうち雨が降り出したがすぐにやんだ。レストランで早めの夕食をとった後、今日のメインであるカラカラ浴場に行く。が、行くのは私1人。夫はまたカジノへ行くんだそうだ。夫が行かないのであれば、昨日行ってすっかり気に入ったフリードリヒ浴場にもう1度行こうかとも考えたが、両方行って比べるということにする。

3・カラカラ浴場

カラカラ浴場の建物はガラス張りで近代的。歴史を感じさせるフリードリヒスとは正反対な外観だ。館内も白やガラスが基調でスポーツクラブという感じがする。

1階受付で料金(2時間で9.00ユーロ・ 私はホテルのタオルを持参したが、タオルを持っていない人は買わないといけない?貸しタオルはないらしい)を払うと磁気カードを渡される。2階に上がり、ゲートにカードを差し込むとバーが開いて中に入れる。フリードリヒスと同じシステムだ。(時間や料金についてはこちらを参照)

入った所は更衣室およびロッカールームなのだが、男性もウロウロしている。 フリードリヒスは全裸で入る温泉のためロッカールームは男女別だったが、ここは水着着用なのでロッカーも男女共有なのだ。でも、普通はプールでもロッカールームは男女別々じゃないか?

ここのロッカールームはうまく出来ている。更衣室とロッカーが交互に列を成しているのだが(下の写真左)、外からは更衣室のある通路にしか入れない。更衣室は両側にドアがあり、筒抜け情態になっている。更衣室に入り中からバーを下ろすとドアはロックされる(下の写真中央左)。 ここで水着に着替え、入ってきたのとは反対側のドアから更衣室を出るとロッカーのある通路に出るのだ。こちらの通路はプール側にしか通じていない。更衣室を出るときは、後から来る人が使えるようにバーを上げてロックを外しておく。

開いているロッカー(鍵が付いているやつ)に服や荷物を入れ、ドアの内側にあるカード差込口に磁気カードを入れる。と、ドアの鍵を抜く事が出来る。鍵は手首に巻いておく。ロッカーの使い方はフリードリヒス浴場も同じだ。なお、カラカラ浴場では貴重品専用のロッカーもプール際にあるが、サイズがかなり小さいのでお財布くらいしか入らなさそうだった。

カラカラ浴場の施設は屋内と屋外の2つがある。まず屋内だが、丸天井の真下に円形プールがある。流れるプールではないと思うが、皆、時計とは逆まわりに泳いでいる。ヨーロッパではそういう習慣なんだろうか?フリードリヒスの静かな空間と比べて、ここでは子供やグループで来た人達がはしゃいでいる。水中で抱き合ってキスしているカップルもいた。水質の点では確かに温泉であるものの、いわゆる遊び場としてのプールという印象を受けた。

プール中央にキノコの傘から落ちてくるような水膜システムがある。水膜の内側に入り込んで座っていると面白い気分になる。 同じような水膜システムは屋外プールの中央にもあるのだが、屋外の水膜はきめが粗くザーザーと落ちてくるのに比べて、こちらの方は薄いカーテンのようにきめの細かい滑らかな膜だった。触った感触としては、葛きりのツルッとした感触に似ている。

この他、滝があるプールやリクライニングチェアーが並んでいる休憩室(室温は低め)などがある。

屋外だが、やはり円形プールがあり、ここでも泳いでいる人は時計と逆まわりをしている。円形プールの左右両側にはジェットバスのような小さなプールがあり、この中は温度が少し高めなのでホッとする。

この写真の右手奥には岩風呂っぽい打たせ湯があって、お湯がちょうど肩に当たるようになっている。気持ち良さそうだが、混んでいて順番待ち(というか早いもん勝ち)しているようだったので私はパスした。

私の場合、これだけだったらカラカラ浴場に10点式で4点くらいしか付けないだろう。ただのプール!という感が強すぎるからだ。が、ここで1つだけ赴きを異にしているものがあり、それを入れるとカラカラ浴場の点数は8点くらいまで跳ね上がる。それは屋内1階にあるアロマ・スチームだ。

アロマ・スチームの入り口は小さいので少々分かりにくい。上の屋内写真では赤い矢印が付けてある所だ。入ると壁にメガネを置く棚がある。そして左右の壁のくぼみはシャワーブースになっている。近代的なシャワーではなく、フリードリヒスにあるような古い感じのシャワーだ。この後、ガラス(だったと思う)のドアがあり、その向こうは右の写真のようになっている。
※ この写真はカラカラ浴場のウェブサイドから転載したもの。

部屋は5弁の花びらのような形をしており、入った所の弁は両側に水が流れっぱなしのシンクがある。そこにはゴムマットがフォルダのように収まっているので1枚取って奥に進む。中央には石で出来た塔のようなものがあるが、 中の空洞からアロマオイルの香りがする強烈なスチームが焚き出ている。スチームはフリードリヒス浴場の7、8とかなり近い感じがする。

残り4つの花弁は半円形ボックス・シートとでも言ったらいいか?ベンチのようになっていて、1つのボックスに5人くらいがゆったりと座れる。座る際にはゴムマットをお尻に敷く。横に付いているホースは各自が座る前、または席を立つ時にベンチを水で流すためのものだ。

私はこの部屋をルートヴィヒ2世の世界そのものだと表現する。上の写真では照明がないので全くその雰囲気が伝わってこないが、天井は小さいながらもドーム式になっており、豆電球が散りばめられて点滅している。満天の星空を眺めているようだ。 上手く説明できないが、ガラスの音のような?オルガンのような?ゆったりした音楽が静かに流れている・・・。星空が消えると室内は朝を迎え、音楽の代わりに鳥のさえずりが聞こえてくる。 リンダーホーフ城のヴィーナスの洞窟でみたような幻覚的な空間なのだ。

私はプールの方はそこそこに、アロマ・スチームの部屋ばかりに入りびたった。熱くて我慢できなくなると外に出てプールに体を沈め、しばらく涼んでからアロマ・スチームに戻る・・・の繰り返しだ。 美肌的効能 があるか定かではないが、毛穴が開いて肌の中から悪いものが排出される?ような気分にもなる。また、2階にはサウナがあるのだが、そちらは水着不可で男女共有なため、私は最初から行く気がなかった。

4・カジノ営業時間について

さて、8時過ぎホテルに戻ると夫がまだ部屋にいた。「カジノに行ったんじゃないの?」と聞くと、スーツ用の黒い革靴はスーツケースの中にあり、そのスーツケースの鍵を私が持っているので出掛けられなかったと言う。 9時前、夫が1人でカジノに出かけて行く。カジノは素晴らしかったが、明日は移動だし荷物の整理もある。 私は夜更かしはしたくないのでホテルに残ったが、この夜ちょっとした事件?がおこり、結局は寝不足となるのだ。

夜中の2時、カジノが閉まる時間である。1人で出かけていった夫が実は心配な私は自然に目が覚める。カジノがあるクーアハウスからホテルは徒歩5分の距離。2時まで遊んでキャッシュ・アウトに時間がかかったとしても、2時15分か20分にはホテルに戻れるはずだ。が、夫は帰ってこない。彼は方向音痴ではあるものの、1本道で迷うという事はは考えられない。実際に昼間1人でレオポルト広場から戻ってきているのだし・・・。何か絶対に変だ。1人で歩いているところ強盗に襲われたのではないか?かなり心配になってくる。 北米のカジノでは高額のキャッシュ・アウトをした人の後をつけ、駐車場などで襲うというのは実際にあることなのだ(セキュリティーのエスコート有り)。

室内でじっと待っていられなくなった私は車で様子を見に行きたいと思った。ところが、部屋、玄関の鍵とも夫が持っていっている。このホテルの鍵は鍵穴から部屋の中が覗けるような昔式のもので、外側から鍵を掛けると内側からも鍵を使わない限りドアを開けることができない仕組みになっているのだ。つまり、私はホテルの部屋に閉じ込められたという事になる。 夫が帰ってこない→行方不明→自分は軟禁状態という図式で私はパニック状態になった。

もうこうなったらフロントに電話をして部屋のドアを開けてもらうしかない!電話を入れるような時間でない事は充分承知の上、3時、フロントに電話をかけた。半泣き状態で事情を説明すると、電話に出たおばさんは「カジノは5時か6時まで開いているので、きっとまだ遊んでいるのよ」と言う。え?うそ。「地球の歩き方」にも、カジノの入り口にあったサインにも、そしてパンフレットにも(カジノのHPにも)14:00〜2:00、金、土曜は3:00までと書かれている。おばさんが言うには、ルーレットは2時で閉まるが、ブラック・ジャックやバカラなどのカードゲームは明け方までやっているんだそうだ。

なぁんだ、そうなんだ。それならば夫は今頃、負けを取り返すために躍起になっているはずだ。夫のギャンブルに関しての行動パターンをよ〜く知っている私は、これを聞いていっきに気が抜けた気分になった。まったくガイドブックも入り口のサインもそういう事はきちんと書いてくれないと困るじゃないか!

ところで、夜中に叩き起こされたホテルのおばさんが怒りもせず私に言った言葉が心の中に残っている。「人はいろいろと心配するけれど、大抵は心配している程のことは起きないものよ」 う〜ん、確かにそれは言えていると思う。不必要に心配して物事を悪いように考えても、実際には全然大丈夫だったという事は多いような気がする。ちょうど自分の母親くらいの年代のおばさんにそう言われて妙に納得した。


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