カジノ

日本人でもカジノ(Casinoは英語でカスィノ、又はカスィーノという風にsiを強く発音)にトライする人が増えているようです。  ラスベガスで、モナコで、マカオで、近場では韓国へカジノ目的だけで行くという人にお会いした事もありました。私が思うに、たいていの日本人はお遊び程度でチャレンジする場合が多いのでしょうが、簡単なルールやマナー、 カジノにまつわる話等、知っておいたら面白い?または為になる?こと等 を紹介したいと思います。

百年の物語 ■ チップ ■ お客ウォッチング ■ いかさま ■ ディーラーになるには ■ ディーラーの本音 ■ カジノQ&A



その1 百年の物語
 

日本のドラマで 「百年の物語」 というのを見た。 ビデオを借りて来たのだが、3番目のお話ではラスベガスのカジノが出て来る。このドラマは1年以上前の放送らしいが、日本では視聴率も良かったそうなので覚えている方もいらっしゃるだろうか? カジノでの場面を振り返ってみると・・・。

まず、財布をすられた主人公がいる。主人公は質屋(Pawnshop)に出かけ、金目のもの全てを現金に替える。

実際、ラスベガスには質屋が多い。最近、日本では質屋もイメージ・チェンジしたそうだが、アメリカの質屋のイメージはかなり良くない。 質屋がある場所も、大抵は治安の良くないエリアに集中している事が多いようだ。なお、質屋では2通りの取り引きが出来る。

  1. 質に入れる品物を担保にお金を借りる。これは1ヵ月とか期限付きで、期限が切れるまではその品物は売られることがない。期間内にお金を返せば品物は戻ってくるが、高価な物でも大した金額にはならない。
  2. 品物を完全に売ってしまう。後になって品物を取り戻したくても返ってはこない。質屋が付けた値段で買い戻すしかない。1に比べて、同じ品物でもっと沢山のお金がもらえる。

ドラマの主人公は、どちらの方法で取り引きをしたのか? 高そうなバイオのノート・パソコンもあったが、全部で300ドルにしかならなかった?ようだ。

この300ドルを元手にルーレットをする主人公。まず、テーブルにてルーレット用のチップを買う。これを
Buy In (バイ・インと呼ぶ。ゲームの種類にかかわらず、バイ・インの時はお金をテーブルの上に置けばいい。直接ディーラーに手渡そうと すると「Put it on the table」とか言われてしまう。これは不正防止の為、ディーラーはお客から直接物やお金を受け取れないルールになっているからだ。

バイ・インの時に1枚のチップの額を聞かれる。安く遊びたければ50セント・チップにすればいい。「Halfs」 とか「50 Cents Please」とか言えばいいが、一部の高級カジノや週末等は50セント・チップをやっていない場合もある。ハーフの場合、50ドルで100枚のチップがもらえる。 1ドル・チップがよければ 「Dollars Please」と言えば、50ドルで50枚のチップをくれる。自分のラッキーカラーなるものがあるなら、リクエストしてみればいい。他の人がその色を使っていなければ、リクエストに応えてくれる。

主人公はバイ・インで60枚のルーレット用チップを買っている(チップ20枚ひとまとめにしてOne Stuckと呼ぶ=60枚は3スタック)。300ドルで60枚ということは、1枚あたり5ドルの高額チップだ。

さて、ドラマの主人公。1つのナンバーだけに賭けるが全然当たらない。普通、このような賭け方はしない。ラッキーナンバーがあるとしてもその周りのナンバーにも数枚賭けて、外れ た場合でもある程度の配当が来るようにする。保険を掛けるとでも言ったらいいか・・・。

外しまくる主人公を見かねて、その連れが持ち金の全て3000円だったかな?を赤、黒に賭けて当たり続ける。これはドラマの設定だから仕方ないが、実際のところ、北米にあるカジノの殆どでは現金を賭けることは できない。それも日本円だ!USドル以外は Cashier(日本語風にキャッシャーと言っても通じない。アメリカでの発音はカシヤーに近い)に持っていき両替してもらう。トラベラーズ・チェックも使える。


また、赤か黒に賭けるのは、当たる確率は半々と思われるが正確には違う。1〜36の番号以外に 0(ゼロ)と00(ダブル・ゼロ)があって、そこにボールが落ちると赤も黒も負けになるからだ。

赤、黒のみに賭けていた連れの男性は勝ち続け、最後に主人公が賭け続けていたナンバーに全てを賭ける。そして大当たり! 目出度く大金を手に入れ、スイート・ルームに泊る。 いったい彼は幾ら勝ったのだろうか?私はビデオを止めてよ〜く観察した。

彼はチップを8スタック (160枚 )まとめて1つのナンバーに賭けている。チップの額面が幾らなのか?不明だが、最初、主人公が使っていたような 5ドル・チップ( 5ドル・チップは 1スタックが100ドル相当になるので、8スタックは800ドル)だとすると・・・。ストレートの配当は35倍である。という事は、800ドル×35=28000ドルの配当だ。プラス、掛け金800ドルも手元に残っているので、合計28800ドルだ。

使用していたチップの額面が、1ドルや2ドルだったとも考えられるが、そうだとすると8スタックは 1ドルチップで 160ドル、2ドルチップで 320ドルにしかならない。 主人公が 8スタックのチップに満足して、それを全部賭けた男性を止めようとした場面を考慮に入れると、やはり、あのチップの額面は5ドルだったのだと私は思う。 たったの3000円が28800ドルに! 1ドル100円の単純計算をしても 288万円相当の大金で、「一攫千金」というわけだ。まさに、目出度し!目出度し!(ドラマの中でこの台詞がよくあった)である。

2002年4月29日 更新

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その2 チップ


チップと言っても、↑「一攫千金」の中に出てきた1ドル・チップとかの事ではない。今日、お話するのはTip (この単語には動詞、名詞とも様々な意味があるが、行われたサービスに対して支払うあのチップ。英語の発音はティップ)の事である。日本では一般にチップと呼んでいるのでここでもチップで通すが、混乱するのでこちらのチップは下線付きにする。

カジノで遊んでいてチップが必要なのはどんな場合か?( 私は北米のカジノやクルーズ・シップの中のカジノの事しか分からないので、ヨーロッパやアジアでは違うかもしれない。)
2003年、ドイツのカジノを体験した際の記録はこちら

(1)飲み物等を持ってきてくれたウエイトレス、ウエイターに渡すもの

ラスベガスやリノは勿論のこと、アメリカにあるカジノでは普通、飲み物は無料である。ラスベガスのようにコニャックを注文しても無料の カジノもあれば、各地にあるアメリカ原住民(ネイティブ・インディアン)のカジノのように、コーヒー、紅茶、ジュースや炭酸飲料のみ無料というところなどもある。

飲み物がフリーなのは 「沢山のお金を落としていってくれるお客への当たり前のサービス」と言えばそれまでだが、飲み物を運んできてくれるウエイトレスといえば、その殆どが
最低賃金(どういうわけかリンク先は時々表示されない。アドレスはhttp://www.dol.gov/esa/minwage/main.htm )のような額で働いている。だが、それでは生活していけないため、そこはチップで補うという社会の仕組みなのだ。また、チップは 正当な収入であるので、毎年の確定申告で申告する義務がある。タックス・オフィスは「この職業はこれくらいのチップを稼ぐ」とデータをもっているので、申告しないと追加税金を取られたりする。

ラスベガスのギャンブル専門の書店で「How to become a Casino’s Waitress」(カジノのウエイトレスになる方法)という本を見つけた時、「へぇ、こんな本まであるのか」と思ったが、高級なカジノのウエイトレスになるのは結構大変なようだ。一流のカジノではウエイトレスにも容姿の良さ、スマートなサービス、経験が要求されるからだ。 ウエイトレスはカジノの顔でもある(Bellagioではウエイトレスのユニフォームは Giorgio Armani のデザインであった。今は経営が変わったのでどうだろう?)。

それでは幾らチップを渡せばいいのか?別に決まりはない。ごく一般のお客がコーヒーやジュースを持ってきてもらったくらいなら50セントでいいと思う。

私の場合、お水のボトルや紅茶しか頼まないが、日本の喫茶店で注文すれば800円くらいはするんじゃないかと思われるSmoothie(スムースィー )などを持って来てもらったりすると2ドル位渡したりする時もある( 小心者の私は何となく悪いような気がするので)。最低賭け金額が高い(100ドルとかそれ以上)テーブルやコーナーでプレイする人達なんかは、勿論もっと渡している。 私は同じテーブルにいる人が、25ドルのチップをあげているのを何回も目にしたことがある。

チップはどのようにして渡すか?これもこうという決りはない。ゲームをしている最中なので、手持ちのカジノ・チップの中から50セントや1ドルチップを渡す人が殆どだ。つまり、現金でなくていいのである。5ドルチップや25ドルチップばかりで、50セントや1ドルの小額チップがない時は、プレイしているテーブルのディーラーにチェンジしてくれるように頼めばいい。

(2)プレイしているテーブルのディーラーに渡すもの

ディーラーの時給はウエイトレスよりはいいものの、やはりチップが収入に占める割合は大きい。負けているのに無理して渡すこともないが、 要は気持ちの問題である。ディーラーだってチップをくれるお客には勝ってほしいと思うものだ。逆に勝っているのにチップをあげないお客だと、心の中で「 チープなお客だ」と思っているかも?しれない。

チップの額はどの位がいいのか?下に書くのは、ケチなお客だと思われないくらいの一般的な相場である。

ブラック・ジャック

自分のところに BJが来たらチップを渡す。5ドル賭けていたら7ドル50セントの勝ちだから、50セントをディーラーに渡す。10ドル賭け たら15ドルの勝ちなので、50セントか1ドル、25ドル賭けていたら37ドル50セントの勝ちなので、端数の1ドル〜2ドル50セント・・・といった具合だ。

ルーレット
1回のスピンで100ドル位勝ったら、50セント〜1ドル程度は渡す。ルーレットのテーブルで使っているルーレット専用の色チップを使って良い。

バカラ
TIE(タイ)が当たったらチップを渡す。タイの賭け金が5ドルだったら40ドルの勝ちなので50セントか1ドル、10ドルの賭け金だっら80ドルの勝ちなので1ドル位といった感じ。

クラップス
このゲームではディーラーのために賭けるのが一般的だ。特にハードナンバー(サイコロの目が2と2で4、5と5で10等、いわゆるゾロ目のこと)に1ドルくらいの金額を「Hard4 for the dealers」とか言って賭ける。

その他のゲームやスロット・マシンで高額のジャック・ポットを出した場合、その3〜5%位をディーラーやスロット・アテンダントに渡せばスマートと言える。


また、あげようと思っているチップをディーラーの ために賭けてあげることも出来る。どちらかと言うと、ただ渡すより賭けてあげた方が喜ばれるかもしれない。50セントのチップでも勝てば1ドルとなってディーラーの元に入るので、ディーラーの方も 「あなたが勝つといいなー」 と応援するはずである。お客が勝てばディーラーも勝つのだ!ディーラーの為に賭けるには、自分の掛け金の横などに別賭けする。何処に別賭けのチップを置いたらいいかは、カジノによって違うのでディーラーに聞けば いい。

尚、ポーカーを除き、ディーラーのチップは皆でシェアされるのが普通だ。 不正防止のため、ある特定のディーラーだけにあげたいと思ってもできないのが殆である。

長々と書いたが、要するに気持ちである。ジャック・ポットを当てたのでなければ、1回ごとに渡すチップは50セントや1ドルでいいのである。 毎回 「Thank You」とか言わなくても、一応ニッコリして渡せば気持ちは伝わる。

2001年11月15日 作成

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その3 お客ウォッチング


カジノのテーブルでゲームをしている人達を観察していると、結構面白かったりする。 ゲーム中にはその人の性格や物の考え方、大袈裟な言い方かもしれないが物事の処理の仕方のようなものが非常によく表れるからだ。 何しろお金を賭けているのだから、特にそう言える。

最もポピュラーなゲーム、ブラック・ジャックのテーブルを例にとってみよう。最低賭け金額は、一般庶民の多くがプレイする5ドルか10ドルのテーブルとする(最低賭け金額はテーブルごとに違っていて、テーブルの横の方にミニマム5ドル、マキシマム1000ドルとか表示されている。 一般的には最低は5ドルが普通だが、安いカジノでは3ドル、1ドルなんていうのもある)。


1つのテーブルで7人のお客がゲームしているとする。
1番の席に座っている人は非常に静かな人である。
2番の席に座っている人は全くの初心者である。
3番の席に座っている人は世話焼きである。
4番の席に座っている人はプレイし慣れてはいるものの、あまり親切な人ではない。
5番の席に座っている人はごく普通のタイプ。
6番の席に座っている人は文句の言いっぱなしである。
7番の席に座っている人は自称「Good Anchor」である。

さて、1人1人検証してみると・・・。

まずは、1番席の静かなプレーヤー。勝っても負けても反応が顔には出ない。 う〜ん、なかなかのポーカーフェイスだ! それとも単にそういう性格なのか?他のお客ともおしゃべりはしない。つかみどころがないように見えるが、ディーラーにとっても他のお客にとっても全く問題がない人である。

2番席の初心者。この人はディーラー側にとっては一苦労である。 手で行う ハンド・シグナルの仕方がはっきりしなかたり、 ヒット(カードを1枚引く事)してから瞬時にステイ(カードを引かない事)にシグナルが変わったりするので、非常にやりにくい相手だ。基本的なルールを無視してカードを引くので、ディーラーも混乱する(ディーラーは 一般的なルールを説明するこてはできても、お客にヒットしろとか、ステイしろなど意見することはできない。ディーラーが意見して、それでお客が負けたら大変である)。

3番席の世話焼きプレーヤー。 2番席の人がめちゃくちゃなプレイをするので、いろいろとアドバイスをする。基本的なカードの引き方のレクチャーも始める。親切心からしているのだろうが、度がすぎるとちょっとうるさい。

4番席のギャンブラー。2番席の初心者を煙たがる。「You don’t know how to play 」とか文句を言う。自己中心的タイプかもしれないが、ゲームは皆が参加しているものなので、ゲームの流れを極端に遅らせている初心者を嫌がる気持ちが分からなくもない。

5番席のお方。負ければ「あ〜あ」と言う顔をするが、勝てば「やったー!」という感じである。他のお客とも普通に打ち解ける。まぁ、非常に一般的なタイプだ。

そして、6番席のうるさいお客。文句を言う対象は主にディーラーである。負けると 「What are you doing」 とか 「You took all my money」とか叫ぶ。テーブルをバーンと叩いたりもする。

こういう行為はやり過ぎるとカジノから追い出されるので注意。普通、ディーラーは黙って聞いていたり、なだめようとしたりするが、ディーラーの後ろにいるピット・ボス( カジノによってスーパーバイザーとかインスペクターなど呼び方は変わる )はお客の事も観察している。 ここからセキュリティー等へ連絡が行き、「ここは公共の場であるし 、他のお客にとっても迷惑なので、立ち去ってもらいたい」 と言われる。「何だと〜、俺は客だぞー」とか言ってあばれても無駄である。何人かのセキュリティーに力ごしで追い出され、今後の出入りを禁止される(ちなみに、これを英語ではHe is barredと言います。BARというのは棒のバーですが、門にカンヌキを掛ける=締め出されるという意味です)


7番席の人。Anchorとはリレーのアンカーと同じ意味で、カードを引くか引かないかの選択を最後にするプレーヤーの事である。その人の決断( 大げさな言い方だが、お金を賭けているので重要だ)がディーラのカードのトータル数に影響 し、プレーヤーの勝ち負けを決めることもある。 アンカーの決断が結果的に見て良ければ、「 I am a good anchor」と自慢する人も少なくない。また、アンカーでなくても自分のプレイの仕方を自慢する人も割と多い。

以上は、カジノでよく見られる人間をタイプ別にしてみたものだ。もちろん、1つのテーブルに全てのタイプの人がいるとは限らないが、「こんな感じですよ!」 というのがイメージしてもらえればいいと思っている。

また、アメリカ人が自分の意見を堂々と主張する国民である事は有名だが、 カジノではこんなことをよく目にする。それは、煙ったいプレーヤーが席を立つなり その人の批判を始めるのである。例えば・・・、2番席の初心者について 「Terrible!」 とか、6番席の文句ったれのことを「He was complaining too much」とか言い出す。その人に面と向かって言わないのは、日本人と変わらないじゃないか!?

ちなみに、最低賭け金額が25ドルまたは以上のテーブルになるとお客の層も若干違ってくるので、タイプ2、3、4、6は殆どいないと言ってもいいと思う。あなたはどのタイプでしょうか?

2001年12月10日 作成

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その4 いかさま


いかさまの事を英語では Cheating(チーティング)という。 他にも幾つか言葉はあるが、一般的に使われているのがチーティングだと思う。 ちなみに、チーティングは日本語(和製英語かな?)のカンニングに相当する言葉でもある。

いかさまをする人 というのはそう沢山いるわけではないので、 日本人がラスベガスや何処かのカジノに行って、それを目撃する事はまず無い。が、いかさまをするのはギャングのような組織でもなければ、日頃から犯罪の臭いがするようなタイプの人達でもない。 いかさまは、カジノで遊び慣れている( ルールなどにも精通している)、見かけはごく普通の人間によって行われることが多い。

これはルーレットで使われる手であるが、2人組みで行われる。 ルーレットはプレーヤーが各々、自分専用のカラー・チップを使い、好きなナンバーにチップを賭けるのであるが
( 百年の物語を参照)、ボールがルーレット盤に落ちる少し前にディーラーは 「 No more betting 」 と言って、それ以後の賭けを締め切る。 が、2人組みのうちの1人が、ボールが勝ちナンバーに転がり落ちた瞬間、そのナンバーに 自分のチップを賭ける。当然、ディーラーはその人のカラー ・チップを本人に返すが、 実は、その人は自分のカラー・チップの他に仲間のカラー・チップも隠し持っていて、相棒のチップの何枚かを、自分のチップと一緒に勝ちナンバーの上に置いていたのである。 つまり、その人のチップは戻されるが、 仲間のチップはそのまま残されるので配当が付くというわけである。 ただし、これを何回も続けてやると、「この客はいつも No more bettingの後に賭けるぞ!」と非常に警戒される。

Caribbean Stud Poker(カリビアン・スタッド・ポーカー)というゲームがある。 このゲームはカジノ側にとって非常に有利なルールになっているが、少ない賭け金でも何千万円 ものジャックポットを手に入れることも出来るため、人気があるゲームである。

3人組みのいかさま野郎がいるとする。その内の2人は隣同士の席に座りゲームに参加する。もう1人はテーブルの後ろに立って見学者を装う。 そして興味がある風に見せて、プレイの仕方やルールについてディーラーに質問し続ける。 その人がディーラーの注意を引いている間に、仲間の2人はお互いのカードをこっそり交換して、ランキングの高い(配当金も高い)ポーカーハンドを作るというわけだ。この3人組みについては新聞の記事で読んだ。中年層の白人アメリカ人であちこちのカジノに出現したらしい。

いかさまはお客のみではなく、ディーラーが関係している事もある。ディーラーの家族や友達などが自分のテーブルでプレイしている場合、負けなのに配当金を払ったり、勝ちでも高額チップ を紛れ込ませて支払ったりする。

まぁ、やり方は他にもいろいろあると思うが、いかさまが発覚したらどうなるのだろう? 間違って、または知らないでしたのではなく、明らかに意識的にいかさまをしているという事が見届けられると、セキュリティーが来て追い出されるか(以後、カジノへの出入りは禁止される)、質の悪いタイプだと警察が来てその場で連れて行かれる。

かなり前の映画だが、ロバート・デ・ニーロ主演の「カジノ」という作品があった。映画の中では、いかさま師は密室に連れて行かれ殴られたり蹴られたりしていたが、現在ではそうしたヤクザ的な行為は行われていないはずである(昨年リメイクされた 映画 「Ocean’s Eleven」 ではその手のカメラのない密室が出てきたが)。「カジノ」は1983年に実際にラスベガスで起こった殺人事件が元になっているそうだが、昔はラスベガスとマフィアは密接な関係にあったらしい。

これを読んで頂いている方達はいかさまなど無関係であろうが、カジノはセキュリティーも整っているし、天井のカメラはあらゆる方向から監視している。「いかさまは割に合わない」というのが現実である。

2002年1月26日 作成

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その5 ディーラーになるには


既にご存知の方もいるとは思うが、私はカジノで働いている。  ポジションはディーラー 兼スーパーバイザー( ピットボスとも言う)で、私の働いている会社では、それを Dual( デュエル )と呼んでいる( 実は、ついこの間 Dualに昇進したばかりで、その前はただのディーラーだった)。 つまり、必要に応じてゲームをディールする人になったり、監督する人になったりするわけである。今回は、ディーラーになるためにはどうすればいいのか?ディーラーの仕事について紹介しようと思う。

アメリカには、カジノのディーラーになるための学校というものがある。 一般に Casino Dealer’s School などと呼ばれているが、学校というよりは、「何かの資格を取るためのコース」  と言った方が適当かもしれない。 そこでは、ブラックジャック( 以下、BJとする )等のテーブルゲームの他、ポーカーのディーラーになるための訓練が行われる。もちろん有料で、1ゲームに付き 300USドルくらい取られる。幾つかのゲームがセットになっていて、まとめて何百ドルというのもあるし、ポーカーの場合は最低でも1000ドルはする。まぁ、手に職をつけるのだから、それを考えれば高いとは言えない。

無事にコースを終了しても、学校は職を保障してくれるわけではない。自分でカジノに応募して、テストと面接にパスすれば職にありつける。が、大抵はどこのカジノでも常時ディーラーの求人を行っているので、仕事が見つからないという のは少ないのではないかと思う。

私が住んでいるブリティッシュ・コロンビア州(カナダ)は事情がちょっと違う。それぞれのカジノが独自に、年に何度かBJのコースを開いていて、コースを終了しテストにパスした人は、そこのカジノで 仕事がもらえる。と言うより、ディールするに際しての細かい方法はカジノによって多少違うので、経験の全くない新しいディーラーが別のカジノに行って仕事を得るのは実際問題として難しい。自分のところの生徒なら ロッキー(新米の事)でも使いますよ!という事だ。

BJのコースは、普通4〜6週間もあれば終わる。内容はチップの扱い方、カウンティング、カード・プレースメント( カードをきれいに並べる事)、シャフルの仕方などが主体となる。最後にテーブルテストがあって、これにパスしないと雇ってはもらえない。

テーブルテストとは、お客の役をする試験官を相手に、生徒がゲームをディールする。試験官はあくまでもお客なので、ディーラーが間違っても訂正させたりはしない。どこが良かったとか何がダメだったとか、無言でメモするだけである。

テストに無事パスすると雇用される。が、初めはパートタイムしかもらえないことが多いようだ。殆どのカジノには3ヶ月〜6ヶ月程のProbation Period(見習い期間みたいなもの)があって、この間に上達しないと解雇されたり、自分で辞めていったりする。この期間が終わると時給が少し上がったりする。

ディーラーの賃金は時給制で、初めはどこでも最低時給かそれに近いと思う。ディールできるゲームの数、種類によって時給が上がる。ちなみに、いちばん難しいのがCraps(クラップス)と呼ばれるサイコロを使うゲームである。クラップス・ディーラーはベテランばかりだ。

ディーラーの収入には時給の他にチップ(Tip)がある。 チップは普通、全てのディーラーでシェアされるが、クラップスだけはクラップス・ディーラーのみでシェアするというカジノもある。クラップスが技術的に高度なスキルを要求されるゲームだからである。また、ポーカーのディーラーは個人でキープするのが一般的だ。

チップの額というのはそれこそピンからキリがあって、ラスベガスの場合、超一流カジノだと1日に300ドルということもあるし、ちっちゃな三流カジノになると、1日で60ドル位にしかならなかったりする。つまり、稼ぎのいい高級カジノのディーラーになるには、それなりの経験がないと雇ってもらえない。

バンクーバー近郊のカジノでも、チップの額はカジノによって異なる。それは殊にお客の層によるのだが、チップの多いカジノとそうでないカジノでは、1時間当たりにすると4〜5ドルもの差が出てくることもある。
作者の独り言「その15 チップ」でも触れたが、払うチップの額というのは、なにもサービスの良し悪しだけに左右されるのではない。大げさな言い方をすれば、格式の高いところではそれなりの額を期待されるし、お客もそれなりの額を払うのである。

さて、私が何故ディーラーになったかと言うと、率直に言って、仕事が簡単な割には まぁまぁの収入が得られるからだ。 仕事が簡単というのは、これはゲームを正確に、ある程度の速さでディール出来ればいいだけで、お客との間に何かあった場合やミスをした場合、問題は全てスーパーバイザーに委ねる。どんな小さなミスでもディーラーは勝手に直すことは出来ないし、お客とのいざこざにも一切介入しない。自分で判断を下す事は全くない(と言より、してはいけない)ので、この場合はどうしたらいいか?などと考えなくていいので楽と言えば楽、簡単なのである。が、他人の指示に従うのが嫌なタイプの人には向かないと思う。

また、特に私のような移民者には、スキルさえあれば働けるという点で良いと思う。日本人で「私は英語に自信がある 」 という人の場合でも、ネイティブ・スピーカーと比べれば、その次元からして違う のである。 こちらでは、英語を話したり書いたり出来るのは当たり前の事なのだから、英語で勝負しようと思ってもダメである。その点ディーラーの仕事は人種に関係なく腕で勝負できる。 もちろん会社内では全てが英語だが、事務系などの職で要求される英語のレベルに比べれば、大したことはない。

実際、ディーラーには様々な人種の人がいる。バンクーバーは中国人移民が多いので中国人は勿論だが、旧東ヨーロッパ圏からの移民もかなり目立つ。

2002年7月8日 作成

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その6 ディーラーの本音


ディーラーは客商売であるので、お客に対しては味方をするような態度で通常は接する。 お客が文句を言えば、なだめるような言葉を言ったり、負けているお客には同情したり励ましたりする、 と言った類のものだ。が、それは他の客商売と同じように、「うわべだけの言葉」 とも言える。本当のところ、ギャンブルとはそう簡単にお金を稼げる代物ではない のだ。その理由は、ゲームのルールがカジノにとって有利なように出来ているという事にある。

例えば、人気一番のブラックジャック。 このゲームでは、各プレーヤーが先にカードを引いてから最後にディーラーがカードを引く。ディーラーのカードの合計が22以上( 自動的に負け )になったとしても、それ以前にカードを引いて負けてしまったプレーヤーのお金は返っては来ない。

また、赤か黒、大か小などの二者択一で賭けるゲームがある。 これは一見勝敗の確率が半々のように見えるが、その手のゲームには必ず、赤にも黒にも、大にも小にも属さない部分があって、そこが当たりになると負けとなる。勝つ確率は半分以下でも、払われる配当金は賭けた額と同額なのだ。

ポーカー類のゲームもいろいろあるが、フラッシュやフルハウスなどが来ると 高い額の配当金が付くので人気がある。が、そういったランクの高い手が出来る確率というのは少ないのである。 52枚のカードを使い、高ランクの手が出来る数学的な確率というものを表にしてみた。

種類

確立

フラッシュ

508回に1度

フルハウス

694回に1度

フォーカード

4165回に1度

ストレートフラッシュ

72193回に1度

ロイヤルフラッシュ

648740回に1度

フラッシュは5枚のカードの柄が全て同じであること。フルハウスはペアとスリーカードの組み合わせで AA777 といったような手である。フォーカードは正しくはFour of a Kindと言うが、日本語で何と呼ぶのか分からないので、スリーカードの呼び方に倣った。5枚のうち4枚のカードが全て同じナンバーでなければならない。KKKK2など。ストレートフラッシュは5枚のカードが続きナンバーで、且つ全てが同じ柄 である。ロイヤルフラッシュAKQJ10でその全てが同じ柄でなければならない。

「フルハウス来〜い」 とか「ギブ・ミー・ア・ロイヤルフラッシュ!」 とか叫ぶのはお客の常であるが、冷静になってこの確率を考えてもらいたい。上の数字はあくまでも数学的なものなので、続けて フラッシュとフルハウスが来るという事も勿論ある。 が、508回に1度の確率 のフラッシュがお客のところに来たとしても、カジノが支払う配当金が賭け金額の508倍であるという事はない。カジノが払うのは、せいぜい5倍とか8倍の配当で、それにささやかなボーナス金が出るくらいのもんである。

また、勝つと5%のコミッションを取られるゲームも幾つかある。

カジノがどのくらい儲かるのか?経理上の数字など私には分かるはずもないが、 私が働いているブリティッシュ・コロンビア州( 以下BC州とする)のカジノの場合、カジノのプロフィットの 60%は州政府の懐に入る。つまり、カジノが1ドル勝つごとに、BC州には60セントのお金が転がり込む・・・という仕組みになっているのだ。

 カジノは残りの60%の儲けの中から、運営のための様々な経費を出していて(勿論、私達働いている人達への給料もここから出る)それでもプロフィットがあるのだから、いかに沢山のお客が いかに沢山のお金をカジノで落としているか?という事は簡単に想像できる。

また、ゲームには攻略法なるものも沢山あるようだが、そんなものはあまり役に立たないように私は思う。何冊も本を読んで何時間もテーブルの前でそれまでのゲームの流れを記録しても、研究すれば勝てる!というような図式のものではない。勝つために何よりも必要なものがあるとしたら、それは強運である。そして忍耐力や自制も重要だ。「全然勝てない」 と文句を言う方、「もう何百ドルも負けている」と嘆くお方、ギャンブルとはそういうもの である

2002年8月13日 作成

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